奈良美智回顧展@LACMA初日
4年半前に行ったフランス・スペイン旅行の途中ですが、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)で2021年3月26日にLACMA会員むけに始まった奈良美智さんの回顧展の初日に行きましたので、リアルタイムでの更新です。
本来は2020年4月に開催する予定でしたが、新型コロナウイルスのため美術館は閉館。回顧展は延期になりました。奈良さんのTwitterを追いかけていると、去年の夏頃ロサンゼルスに渡航後、2週間の隔離生活を経てLACMAで展示の作業を開始したようです。開催が延期になったことで、展示予定の作品の都合がつかなくなってものもあるようです。その代わり、新型コロナウイルスによる外出できない状態があったからこそ生まれた作品があり、予定外で今回の回顧展に加わったようです。
3月26日にLACMAが再オープンするというメールを3月15日に受け取り、3月26日からはLACMA会員のみ入場可能で、4月1日以降に一般公開されます。The Broadで開催された草間彌生の『Yayoi Kusama: Infinity Mirros』のようなチケット争奪戦にならないか心配でしたが、回顧展初日の一番最初の時間のチケットは簡単に確保できました。
チケットは日程&時間指定、キャパシティは通常の25%、マスク着用義務、ソーシャル・ディスタンスの確保、観覧当日は予め健康に対するメールに回答する必要があり、入場時には検温、チケットはバーコードでミュージアムのスタッフとの接触はなく、しっかりと安全対策が取られていました。ですが、まだワクチン1回目の接種をしたばかりということもあり、今回は軽く様子を見て、完全にワクチンが効いている状態になってからじっくりと観に来ようと考えています。ちなみに、回顧展の開催は7月5日まで。本来は2020年4月5日〜8月23日の開催だったので、1ヶ月半ほど短くなりました。
ソーシャル・ディスタンを確保するため、入場するための列はありましたが待ち時間が長いとは感じませんでした。ただし、みなさん作品や写真撮影に集中しすぎると、知らぬうちに他人との間隔が狭まるので注意が必要でした。
テーマごとにより大小異なるサイズのスペースが全部で10個あったと思います。最初のスペースは352枚のレコードのディスプレイで圧倒されました。これは1日に1枚聞いても、1年かかるペースですね。
奈良さんのSNSで観たこともあり、また豊田市美術館の個展で観て感動したというコメントがあったこの作品をLAまで持ってきてくださったことに感謝です。確かに、目から流れる涙(水)に心が洗われるようでした。
ドローイングを集めた部屋は、その作品数に圧倒されます。小さいものはハガキやノートサイズで、これら全てを観るには相当時間が必要です。
奈良さんの個展や展覧会に欠かせない小屋からは音楽が流れていて、これぞ奈良ワールド。ただ、アメリカ人の方は足元にあるテープの線を無視で窓まで突き進むので、美術館のスタッフがその都度、線を超えないよう来場者に注意していました。
散乱したように床に置かれているドローイングも一体何枚あるのかというぐらいの枚数がありました。
個人的に一番感動したのは『After The Acid Rain (Night Version)』です。奈良さんの本を見て、顔の表情と背景、そして目の色が気に入っていたのですが、実物と本とでは目の印象が全く異なりました。それは、目がラメで光っているのが本では分からないからです。作品が設置されている位置も高すぎず、ほぼこちらの目線と同じ目線になる最高の位置で眺めることができました。
ズームで撮影すると目がラメで輝いているのがわかると思います。ですが、これは実際の作品で感じて欲しいです。カメラの技術も凄いですが、人間の目が捉える力には敵いません。こちらが少し動くと目の光り方、表情が変わるような、そんな作品です。
最後の展示スペースです。こちらは大型の作品がずらりと並んでいて圧巻です。作品の位置もこちらの目線よりもかなり上のため少し威圧的に感じました。
次回来る際は、一作品ずつじっくり鑑賞したいと思います。さて、1日でどのぐらいの作品数なら集中力が途切れずに観ることができるのでしょうか?奈良さん自身、アシスタントは付けないので、今回の展示を振り返り本当に自分一人でやってきたのかなぁー、と思ったようです。これまでの奈良さんの回顧展で最大規模とも言っておられました。5月になったらLACMAに通います。LACMA会員は年会費を払うと毎回無料なので、お得です!約一年遅れての開催でしたが、待った甲斐がありました。
一番最後の作品としてパンデミック中に制作した作品が展示されています。他の作品とは凄く印象が異なります。
LACMAと言えば、こちらの『Urban Light』。いつも人がたくさんいるのですが、入場前は数人しかおらず、誰もいない瞬間を撮影できました。この『Urban Light』の横に奈良さんの作品『Miss Forest (LACMA Version)』が展示されています。みなさん気付いていないようで、私たちとガードマン以外誰もいませんでした。